パレロワイヤル永田町505号室に集う人々






























長崎県では、宮島滉組合長(元参議院議員)が、組合長の立場を利用して本人が経営する不動産会社に「させぼ農協」 から8億2100万円の融資を引き出し、回収不能になっている問題で、福岡県警金融・不良債権関連事犯特別取締本部が、担保価値に疑問のある融資があった との見方を強め、同農協や組合長宅や融資を受けていた不動産会社「ジェイ・エイ・ホーム」などを背任容疑で家宅捜索した。  福岡県警の捜索を受けた「させぼ農協」の宮島滉組合長は、これを受けて「青天のへきれき。組合員に心痛をもたらしたことは私の不徳の致すところで、おわ び申し上げたいが、容疑については全く心外で、不正融資を決裁した覚えはない」「不正があれば責任をとるが、不正とは思っていない」と、辞任の意向もなけ れば不正の自覚もないことを表明した。  この無責任体質に組合員から批判が続出したため、10月23日の同農協定例理事会で辞意を表明せざるを得なくなり、全会一致で引責辞任が承認された。 また大阪府では、JA泉南市(大阪府泉南市)から不動産会社「辻野産業」代表で同農協の辻野源治理事(公正証書原本不実記載容疑で逮捕)に、約5億円が担保不足のまま融資されていた問題で、大阪地検特捜部が、背任容疑で和歌山市役所と市土地開発公社の捜索を始めた。  特捜部の調べや和歌山市議会で明らかになったところによると、和歌山市の尾崎市長らは1996年3月、和歌山市内の山林を開発する「和歌山市磯ノ浦国際 舞台芸術ビレッジ構想」を辻野理事から持ちかけられ、国の事業認可が受けられることなどを条件に、辻野理事所有の土地を買うとする内容の証明書を発行し た。JA泉南市はこの証明書を担保にして辻野理事に約3億2000万円を融資し、全額が未回収になった。  今回の和歌山市役所と市土地開発公社の捜索は、辻野理事が不正融資の担保に使った市土地開発公社事務局長名義の「買い付け証明書」の発行状況を裏付けるために行なわれた。特捜部は辻野理事らを背任の疑いで再逮捕する。 札幌市の旧新琴似農協(現在は合併して札幌市農協)の乱脈融資事件で、回収の見込みもないのに不動産会社 「ロイヤルリゾート」元社長と共謀し、同社の手形などの決済資金総額約1億9700円を無担保で立て替えると共に約1億1050万円の融資を無担保で行な い、約3億円を不正融資したとして、背任罪に問われた元同農協金融部長正井邦彦被告(51)に対する判決公判では、同被告に懲役2年、執行猶予3年(求 刑・懲役3年)が言い渡された。  被告弁護側は「融資は農協の利益を図ったもので、背任の故意も共謀もない」と起訴事実を否認していたが、裁判所は「当時の組合長や専務理事の指示で融資 が実行されていたとしても、融資の対象となったゴルフ場計画は、具体性も実現性も乏しく、農協に損害を与えることは明らかだったし、担当部長として反対す べき責任があった」として、弁護側主張を退けた。 この他、共済金横領事件や農協貯金の使い込み事件など、あちこちで農協不祥事がいろいろな形で 続々と明るみに出始めている。


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